神棚を置いてあるご家庭は、今どれ程までに減ったのでしょうか?以前は、どのご家庭にも神棚が置いてあったかもしれません。
若い世代には、神棚の存在意義も知らない、という方もいるでしょう。
しかし、まだまだ神棚を置く風習が日本には残っています。
結婚し、新築したことをきっかけに新しい神棚を置いた方、または小さい頃から神棚が自宅にあったので、神棚は置くものだと思っている方、そのような方々は、神棚の扱い方について実はよくわかっていないということはありませんか?
そんな中、よくある質問が、神棚の扉についてです。開けておくべきか?閉めておくべきか?実際のところ、どちらが正しいかご存知ですか?また、神棚に置いている鏡の意味ってご存じですか?
なんとなく知っているようで知らない、神棚の扱い方を、こちらではご紹介させて頂きます。
神棚の扉は開けておく?開けっぱなしでいいの?
神棚には、宮形(みやがた)と呼ばれるお社がありますよね。お社にも何種類かありますが、どのお社にも必ず御扉(みとびら)と呼ばれる扉がついています。
こちらを常に開けている、というご家庭もあるようですが、実際は常に閉めておくべき、という考えが主流のようです。
思えば、神様をお祀りされてある神社でも、扉は常に閉まっています。
お祭り事がある場合、参拝者側の外側の扉が開いていることがあっても、必ず中の扉は閉められていると思います。これは、神様はそれほどまでに尊い存在で、直接私達が目にするには、畏れ多い、という考えのもとです。
こちらは、各ご家庭における神棚も同じことです。宮形の中にあるお札は、神様が宿る、とても神聖なものです。
扉が開いていて、常に神様の姿が見えているとすれば、それはとても失礼なことです。
そして、神様は何よりも不浄を嫌います。扉を常に開けていると、毎日きちんと手入れされない限り、埃や汚れが溜まってしまいます。神様をお祀りする場所は、常に清潔でなければなりません。
その点においても、神棚の扉は開けっぱなしにせず、閉めるようにしましょう。
神棚の扉を開閉するときはどんなとき?
しかしながら、1年中扉を閉めっぱなし、というわけでもありません。神棚にお祀りされるお札は、1年で交換しなければなりません。
神棚のお掃除をよくされる方は、扉の中まで開けて綺麗に掃除する為に、扉を年に2度以上開閉されても良いかと思います。
なかなか宮形の扉まで開けてお掃除することが出来ない方は、その扉を開ける時は、古くなったお札を交換し、神棚の大掃除をする、年末になりますよね。
年末とは言っても、神棚掃除をしてはいけない日があります。12月29日と31日の2日間です。9(苦)がつく、ということで、日本人は特に9という数字を嫌いますが、29日は避けるようにしましょう。
31日の大晦日も、家の大掃除ではなく、神様が宿られる場所を年末の最後の1日に行うのは、一夜漬けになる、ということで、神様に対して失礼にあたります。
宮形の扉を開け、お掃除をし、古くなったお札を交換する日は、12月28日までに行うのが一般的ですね。
宮形の扉を開けるときはもちろん、神棚掃除をする際は、必ず二礼二拍手一礼で、これから扉を開けさせて頂くこと、お掃除をさせて頂くこと、お札を交換させて頂くことへの無礼をお断りしてから、始めるようにして下さい。
神様が畏れ多き存在であられる、ということを理解すれば、神棚の扉を含め、神棚における正しい扱い方が見えてくるのではないでしょうか。
神棚の扉の前に鏡をおく意味は?
神棚をご自分で設置された方はおわかりでしょうが、宮形の扉の前には、神鏡(しんきょう)と呼ばれる鏡を置いています。
神棚の神具も、神棚の設置棚の大きさで置く、置けないがあるので、神具の多いご家庭もあれば、少ないご家庭もあり、神鏡を置いていないご家庭ももちろんあります。
この神鏡の意味とは一体何でしょうか?また、扉の前に置くのには、意味があるのでしょうか?
神社にも丸い神鏡が祀られてあります。神社での神鏡は神様そのもののお姿であり、神様が宿るもの、という考えが多いです。
一方、各家庭にある神棚の神鏡は、神様への目印でもあり、神様そのものという意味合いよりは、毎日お参りする際に、神鏡に映る自分の姿を目にし、自分を振り返り、本当の心で神様に向き合う為、と考えられています。
お参りする際に、必ず自分の姿が映るように、神鏡は宮形の扉の前に置かれる、という理由も納得頂けるでしょう。
神鏡を置いていない、と今不安になっている方は、神棚の設置棚に余裕があれば、置いて頂ければ良いですが、スペースがないようであれば無理に神鏡を置く必要はありません。
その代わり、お参りする際には、常に自分自身を振り返り、真心で神様に向き合うよう、常に気を付けておいてください。
神棚の扉は開けておくか開閉し鏡もおくその神鏡の意味のまとめ
神棚や、神棚に置く様々な神具には、それぞれ必ず意味があります。その意味を理解した上で、神棚を扱うことが、神棚を置くご家庭の使命でもあります。
意味を理解することも大切ですが、最も大切なことは、神様を尊ぶ態度と心です。
日々生かされていることへの感謝を持って、神様にお参りするようにしましょうね。
何となく神棚を置いていた方も、今日からはまた新たな気持ちで神棚にむかえるのではないでしょうか。
コメント