チック症とは、本人の意思に関係なく、突発に繰り返される素早い運動や発声のことを言います。
主な症状は、まばたきや咳払い、頭をふらふら振る、フガフガと鼻を鳴らしたり、バカ・アホなどという言葉を繰り返したりします。
見た目は、癖がひどくなったような感じですね。
チック症は、本人の心や周りの環境が影響すると言われていますが、子供がこのような症状になると、親としてはちょっと心配になると思います。
もし、このような症状がある場合、親や周りの人はどうすべきか、治療法はあるのかについてまとめましたので、ご紹介します。
チック症の原因子供の場合は?
子供の場合、幼児期の3~4歳の頃から始まり、小学校低学年の7~8歳の頃が特にチック症の症状が多く見られます。
運動型チックの症状では、まばたき、肩をすくめる、手足を伸ばす、頭を振る、他の人の運動のまね、猥褻的な身振りなどがあります。
発声型チックの症状では、発達性協調運動症同じ動きや声を繰り返すことがあげられます。
エヘンとかゴホンという咳払い、鼻鳴らし、ウーンという唸り、アーという奇声、同じ言葉や鼻歌などの繰り返し、猥褻な言葉や中傷、バカなどという悪口の繰り返しがあります。
これらの症状は、勉強、発表会、運動会などの準備期間や練習などの時に起こることが多く、緊張やストレスが高まることが原因の一つとなっています。
そのため、症状に気づいて無理にやめさせようとすると、その時はやめようとしますが、無理して我慢することがストレスになり、かえってひどい状態になるのがチック症の特徴です。
子供が意識していなかったのに、親などが指摘することで、止めなくちゃいけないと意識してしまい、前にも増してストレスだけが増えてしまうのです。
親としては心配でしょうが、チック症を指摘することは避け、気にしている素振りを見せないように優しく子供と会話しましょう。
チック症の多くはストレスが減ることや、脳の発達や成長、周りの環境に慣れてくることで、自然に無くなります。
チック症の原因大人の場合は?
チック症になるのは子供の頃が多いのですが、まれに大人でもチック症になる人がいます。
大人の場合は子供の頃の症状以外に、物にさわる、相手の言葉を何度も繰り返す。
さらに、不自然なあくび、顔をしかめる、急に飛び上がる、腕が動いて自分や人をたたいてしまうなどがあります。
原因としては、薬の副作用、てんかんなど別の脳神経疾患、神経過敏、社会のストレスなどが多数を占めています。
社会や日常生活に支障がない症状であれば良いです。
しかし、歩行困難や痛みやしびれ、相手に対する暴力などがある場合は、心療内科や精神科で一度診察を受けることをおすすめします。
日常生活に支障が無い場合や少ない場合は、特に受診する必要はないのですが、心配な場合は専門医の診察を受けカウンセリングを受けるのも良いでしょう。
チック症の原因は親の場合は?
過去には、チック症の原因は親の育て方やしつけが原因と言われた時期がありました。
例えば母親が完璧主義で神経質になり、子供のしつけや生活に干渉し過ぎたため、子供がストレスを感じてチック症がでたということです。
現在考えられている原因は、母親の完璧主義に関わらず、生まれつきチックを起こしやすい脳の体質であろうと考えられています。
原因の中には、親からの遺伝もあるということですね。
また、いじめなどの嫌なことがあったのがきっかけで、チックがでてきたということもありますが、きっかけがなくても出てくる子供がいます。
親としては、チック症をすぐにでも治したいと思うのは当然ですが、注意したり、叱ったりすることで、チック症が早く治るわけではありません。
悪いことをした場合に叱るのはかまいませんが、チック症に対して叱ることは、何の解決にもなりません。
チック症は行事などのストレスや緊張によって出ることが多いので、行事が終わるといつのまにか治っているということが多いです。
やさしく見守ってあげましょうね。
まとめ
チック症のほとんどは日常生活の上で障害になるものではないので、基本的に薬などでも治療は必要ないとされています。
周囲が必要以上に反応しなければいずれは消滅するので、周りの人々も気にしないで接してあげましょう。
環境づくりが一番ですよ。
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