夏の土用の丑の日は、梅雨が明け
夏も本格的になったころに訪れます。
気候も体調も変化する時期なので
夏に向かい栄養補給の意味も込め夏バテを防止するために
精の付くものを食べる習慣が昔からあります。
土用の丑の日といえば「土用うなぎ」ですよね?
なぜ土用の丑の日にうなぎが食べられるようになったのか
その由来や意味を紹介します。
土用の丑の日にうなぎを食べる由来は?
土用の丑の日にうなぎを食べるのは
節分の日に恵方巻きを食べるのと同様に
日本の行事食として根付いていますが、
その由来も浸透していますよね。
江戸時代中後期の本草学者であり蘭学者(医者)で
エレキテル(静電気発生機)を修理するなど
発明家や作家である万能学者の平賀源内説が有力です。
平賀源内(1728~1779)は、
四国の高松藩志度浦の生まれで、
あらゆる分野に才能を発揮し幅広く活躍した人物です。
夏場に売れないうなぎ屋が、
その平賀源内に相談したところ
「本日土用の丑の日」と貼り紙を出したことから
うなぎが大繁盛したということ。
ですが、「本日土用の丑の日」という貼り紙だけで
どうして繁盛したのでしょうか?
実はこれには江戸っ子ならではの気質と
口コミからきたものなのです。
そもそもうなぎの旬は、夏ではなく、
冬眠前に養分を蓄える、
秋から冬の時期がもっとも美味しいことや
真夏の暑い時期に、
わざわざ火で焼いたうなぎの蒲焼きを
食べに来る客がいないという、
うなぎ屋の悩み相談にのった平賀源内は、
もともと丑の日には「うのつく食べ物」を食べると
病気にならず元気に過ごせるという言い伝えもあり、
ならば栄養もあり「う」のつくものでもある
うなぎがもってこいだということを知らせるために貼り紙を
「本日土用の丑の日」と書いて貼る
という提案をしたところ
当時江戸っ子気質の好奇心旺盛な客人たちは
その貼り紙を見て
通行人A「外の貼り紙の『土用の丑の日』ってのはなんだい?」
(好奇心旺盛なAさん)
うなぎ屋「土用の丑の日には昔からうなぎってことになっておりやして」
通行人A「そんなこと初めて聞いたなぁ、おいB知ってたかい?」
通行人B「あたぼうよ、いま焼いてもらおうと思ったところでい」
(知ったかぶりのBさん)
うなぎ屋「平賀源内先生も先ほど食べたところでして」
通行人A「さすがはBさん、物知りだねぇ~、よし俺にも一つおくれ」
うなぎ屋「へい、毎度あり~」
このように、(会話の内容は推測ですが)
博学な平賀源内先生がいうのだから間違いない
ということや、知ったかぶりの口コミのおかげで
うなぎ屋は大繁盛し、それを見ていた他のうなぎ屋も
こぞって真似をするようになり、土用の丑の日に
うなぎを食べることが一般的になったといわれています。
丑の日にうなぎで夏バテを防止!
こうした広告戦略のように見える一枚の貼り紙ですが、
うなぎの栄養成分は、栄養学的にみても
豊富なたんぱく質、ビタミンAをはじめ
ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンD、ビタミンE、
さらにはカルシウム、鉄分など、
身体に必要な栄養素がたっぷりなのです。
脂っこいと思われる脂質も、
実はEPA(エイコサペンタエン酸)や
DHA(ドコサヘキサエン酸)と呼ばれる
不飽和脂肪酸を多く含んでいる、
まさに滋養強壮、夏バテ防止、
さらには美容にもうれしい食べ物です。
丑の日のうなぎ効果で健康促進と美容効果も!
夏の土用の丑の日は、
特に暑さで身体も疲労が蓄積されています。
うなぎの栄養素は滋養強壮・健康促進効果には
免疫力をアップし、
動脈硬化予防や眼精疲労の緩和、風邪予防、
骨粗鬆症予防などのほかに、美肌効果などの
美容にも効果が期待できるのがうれしいところです。
うなぎの主な栄養素とその効果は
ビタミンA:風邪やウィルス細菌から守り眼精疲労回復やがんの抑制など
ビタミンB1:代謝をアップするため疲労回復や足のむくみを予防
ビタミンB2:細胞の再生と成長を促進
ビタミンD:カルシウムやリンの吸収を促進
ビタミンE:細胞の老化防止となる高い抗酸化作用
カルシウム:骨を強くします
鉄:全身に酸素や栄養を運ぶ赤血球を生成するために必要
DHA:脳細胞の形成に重要で痴呆症などの予防にも
EPA:コレステロールを抑制し血流を促し脳梗塞や心筋梗塞などを予防
他にも、うなぎの皮の周りにある
コラーゲンの多さにも注目したいところです。
コラーゲンはたんぱく質の一種であり、
細胞と細胞をつなぐ役割を果たすため、
内側から肌のハリにアプローチしてくれます。
他にも血管を柔軟にするため代謝があがり
免疫力がアップする作用があると考えられます。
さらには、ビタミンAの正式名称といわれる
レチノールも豊富に含まれているため、抗酸化作用により
シミやくすみなどを改善する美肌効果が期待できます。
そもそも土用の丑の日のことにいついてはこちら
>>土用の丑の日とは?由来や意味や期間を分かりやすく説明!
まとめ
日本人の伝統として脈々と受け継がれてきた
土用の丑の日の食文化をこれからも大事にしながら
健康と美容にいいとされる「うなぎ」を食べて
元気に夏を乗り切りたいですね。
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