iPhoneで機種変のときのデータの移行はなかなか悩まされます。
パソコンが有るなら、iTunesで一発なのですが、パソコンを持っていないと言う人も結構いらっしゃるでしょう。
そんなときに使用するのがiCloudへのバックアップです。
しかし、iCloudの設定にはボイスメモがありません。
ボイスメモのiCloudへのバックアップはどのようにするのでしょうか?
また、iCloud Driveとの関係は…?
そんな疑問について見ていきましょう。
動作の検証は基本的にiPhone7plus上で動作するiOS11.3.1で行いましたが、復元動作の一部はiPhone4s上で動作するiOS9.3.5上で検証しています。
iPhoneの機種変更時ボイスメモはiCloudに保存?
iCloudの容量は無料で5GB使用できます。
重要なデータはだいたいバックアップできますが、「Wi-Fiやメールアカウントのパスワード」など、バックアップできないものもあります。
また、Appストアでの扱いがなくなったアプリは復元できない場合があります。
詳しくは、後述のアップル公式サイトでバックアップ対象を確認されるのが良いでしょう。
LINEのトーク履歴なども、別にバックアップの設定をする必要があります。
そして当然ながら、バックアップ対象のものの総容量が5GBを超える場合は、バックアップできないものが出てきます。
問題のボイスメモですが、これはiCloudへのバックアップを行うと、自動的にバックアップされます。
筆者的には、「ボイスメモだけ選んでバックアップ」できれば便利だと思うのですが…。
アップル的にはボイスメモの扱いが軽いのか、どうなのか、単独でのバックアップも、単独での復元もできない仕組みになっています。
しかたがないので、「ボイスメモも含めて」のiCloudへのバックアップの方法を紹介しましょう。
まずWi-Fiに接続する必要があります。4G回線などではiCloudにバックアップできません。
自前のWi-Fi環境が無い場合は、公衆のWi-Fiなどを使用することになります。
(1)「設定」をタップします。「設定」アイコンの位置は利用者のホーム画面の設定によって異なります。
(2)「設定」画面から自分のアカウントをタップします。
(3)「iCloud」をタップします。
(4)「iCloud」画面を下の方へスワイプして、画面の下の方の「iCloudバックアップ」を表示させ、「iCloudバックアップ」をタップします。
(5)「iCloudバックアップ」のスイッチを右にスワイプしてONにします。
(6)「iCloudバックアップを開始」の確認画面になるので「OK」をタップ。
(7)「今すぐバックアップを作成」をタップ
(8)バックアップ作成中の画面になります。
(9)バックアップが完了すると、最新のバックアップの日時が表示されます。
なお、iCloud使用時に、Apple IDとパスワードを求められる場合があります。
既にApple IDを作成していればそれを入力しますが、「Apple IDを新規作成」から新規に作成することもできます。
・iOS デバイスのバックアップについて【アップル公式】
・ヘルプセンター | LINE iOS → iCloudへのトークバックアップ方法 など
iPhoneのボイスメモをiCloud Driveへ保存方法
iCloud Driveは、iCloudそのものとよく似ています。
と言うかiCloud DriveはiCloudの機能の一部です。
その区別を説明すると複雑になるので、ここではざっくりとだけ説明します。
通常のiCloudだけでは共有できないようなデータでも、iCloud Driveを使うとたいていのものを共有することができます。
基本的に「他の端末と共有」することが目的の仕組みですので、「バックアップと復元」には向いていません。
ボイスメモも、iCloud Driveで共有する事はできるのですが、iCloud Driveからボイスメモに戻す事はできません。
ですので、「iCloud Driveからボイスメモへの復元はできない」という事になります。
他の端末から、あるいは機種変後の端末から参照できるようにiCloud Driveでボイスメモを共有したいという場合は、次のように行います。
(1)ボイスメモ・アプリで、iCloud Driveに入れたいデータをタップします。
(2)データの左下に共有アイコンが表示されるので、それをタップします。
(3)共有先が表示されるので、「ファイルに保存」をタップします。
(4)「この項目を追加する新しい場所を選択してください」画面になるので「iCloud Drive」をタップします。
(5)「追加」がタップできるようになるので「追加」をタップします。これでiCloud Driveで共有され、画面は(2)に戻ります。
(6)iCloud Driveに共有したものを見たい時は、「ファイル」を使用します。「ファイル」アイコンの位置は利用者の設定によって異なります。
(7)「ファイル」を開き、ブラウズ画面になっていなければ、ブラウズ画面になるように「ブラウズ」をタップし、「iCloud Drive」をタップします。
(8)iCloud Driveで共有したボイスメモが表示されます。
ここではボイスメモしかありませんが、他にiCloud Driveで共有しているものが有れば、それらも同時に表示されます。
iPhoneのボイスメモ復元はiCloudからできる?
結論から言うとボイスメモ単独での復元はできません。
iCloudでバックアップした内容からまるごと復元することになります。
機種変更の場合は、いずれにせよ他のデータも復元したいでしょうから、これで特に問題はないだろう、と、アップルは思っているのでしょう。
筆者的には問題ありありなのですけどもね…。
個別にデータを扱えないのはやはり不便だと思います。
新規の機種の場合は「こんにちは」画面が表示されるところ(以下の(7)の項目)から始まりますが、ここでは、既に設定済みの端末を初期化して復元する方法を紹介します。
なお、iCloudバックアップ時と同様、Wi-Fiに接続しなければ、iCloudからの復元はできません。
(1)「設定」アイコンをタップし、「一般」をタップします。
(2)一番下から二番目の「リセット」をタップします。
(3)「すべてのコンテンツと設定を消去」をタップします。
(4)パスコードを求められたら端末のパスコードを入力します。(ここでパスコードの前にバックアップするか聞いてくる場合もあります。状況に応じてバックアップするか、バックアップせずに消去するかを選びます。)
5)「iPhoneを消去」の確認画面が表示されますので「iPhoneを消去」をタップします。もう一度確認を求めてきますので、再び「iPhoneを消去」をタップします。
(6)消去が始まります。通常はリンゴのロゴと経過を示すバーが表示されます。
(7)「こんにちは」の画面になります。新規端末の電源を投入した場合はここから始まります。
なお、この画像からは、iPhon4s上のiOS9.3.5で検証した画面になります。(理由は後述の※を参照してください。) 基本的な動作は変わらないと思いますが、念のためアップル公式サイトも後にご紹介しておきます。
(8)言語選択、キーボード選択を経て、Wi-Fi設定画面になります。接続するWi-Fiを選んで、適切なパスワードを入力します。
(9)アクティベート画面になります。その後、位置情報サービス設定、端末パスコード設定などが表示されるので必要に応じて設定します。
(10)「Appとデータ」画面になるので、「iCloudバックアップから復元」を選択します。
(11)Apple ID でサインインします。利用規約が表示されるので、納得したら「同意します」をタップします。
(12)バックアップが複数ある場合は復元するバックアップを選択する画面が表示されますので、復元したいバックアップを選択します。
(13)iCloudからの復元が始まります。
(14)復元が完了すると、ロック画面になりますので、必要に応じてパスコード入力などを行いホーム画面を表示します。
この時点では、一部のアプリはまだAppストアからダウンロード中の場合があります。
また、前述の通り、Appストアでの扱いがなくなったアプリは復元できません。
・iPhone、iPad、iPod touch をバックアップから復元する – Apple サポート
※復元時の画面だけ古い機種を使用した理由は、非常に私的なものです。筆者が日常で使用しているiPhone7plusを初期化してしまうと、3万曲以上ある音楽ファイルの復元がものすご~く大変で、数日かけないと復元できないからです。なので、日常使いしていない古いiPhone4sに代わりを務めてもらいました。悪しからずご了承ください。
と、ここまで書いておいていうのも何なんですが、一言、言っておきましょう。
「パソコンでiTunesを使ったほうが速くて確実ですよ!」と。
ボイスメモの扱いがしょぼいのはiTunesでも変わらないのですけれどもね…。
まとめ
iCloudでボイスメモはバックアップ、復元できるのか?
と言う疑問に答えるべく色々ご紹介しましたが、結局、「ボイスメモ単体でのバックアップ、復元はできない」ということになります。
iCloudの新機能であるiCloud Driveも、他端末とのデータ共有には向いていますが、ボイスメモの復元には向いていません。
それでも、iCloudへのバックアップでは無事ボイスメモのバックアップと復元は可能で、機種変のときの移行には役に立つことがわかりました。
古いアプリは復元できない場合があるのですが、これはパソコンのiTunesと同期できない場合はやむを得ないですね。
それでは、みなさまのiPhoneライフがより良きものになりますように!
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