秋が訪れ、夏の暑さも忘れていく頃、次に私たちを悩ませるのが、台風です。
台風により、交通機関は乱れ、通勤通学に多大なる影響が出る他、毎年台風による被害も後を絶ちません。
実は、世の中には、台風が近づくだけである症状に悩まされる人々がいることご存知でしょうか。
その症状とは、「頭痛」です。
台風が近づいてくると、必ず頭痛が起こり、生活に支障をきたす程、悩まされている人へ、台風と頭痛のメカニズム、対処法などについてお伝えしていきたいと思います。
台風で頭痛の原因とは?肩こりや耳鳴りも?!
台風と頭痛に関係があると全く知らなかった人もいるでしょう。台風の直接的な被害を恐れるだけでなく、台風が近づいてくるだけで既に、間接的に影響されてしまう人もいるんです。
では、なぜ台風が身体に影響を及ぼし、頭痛を引き起こすのでしょうか?
台風は、赤道付近の海上で生まれ発達する大型の低気圧です。
この気圧が人間の身体に影響していることは、耳にしたことがあるかもしれません。
台風が近づくと、気圧が低下し、身体の中の圧力も下がります。その為、脳の血管が膨張され、それにより神経が圧迫され、頭痛を感じるようになります。
こう聞くとわかりづらくなるかもしれませんが、台風だけでなく、登山をし、高度が上がると、頭痛や吐き気を引き起こす「高山病」も同じ気圧による影響です。
高山病にかかる人もいれば、かからない人もいるように、台風により頭痛を引き起こす人、引き起こさない人がいます。これは個人個人の健康状態にもより、体質にもよるようです。
睡眠不足、食事の偏り、体力低下が見られる人には起こりやすくなると言えます。また、月経などでホルモンの影響を大きく受ける女性に、よりこの症状がみられることもわかっています。
また、症状は頭痛だけではありません。めまい、耳鳴り、眠気、喘息、肩こり。
気圧の変化により、このように様々な症状がみられます。気圧の変化は、自律神経のバランスに影響すると言われています。
自律神経には、日中活動時に活発に働く「交感神経」と、夜間や身体を休めている時、リラックス時に働く「副交感神経」とがあります。
この2つの神経のバランスが崩れることにより、血管や細胞の膨張、痛みを感じる神経の圧迫、などが起こります。交感神経が刺激され、高まりすぎることにより、痛みやこりを感じやすくなってしまいます。
喘息が悪化すると言われているのには、血管が膨張することにより、気道粘膜の分泌液が増え、その増えた分泌液が気道を狭くするから、と言われています。
気圧の変化というものを敏感に感じ取る部分は、耳の「内耳(ないじ)」という場所のようです。
内耳にあるリンパ液が平衡感覚を司る役割を担っており、急激な気圧の変化がこの働きを阻み、平衡感覚に乱れが生じ、めまいや耳鳴り、といった症状に繋がります。
気圧の変化による耳鳴りは、「キーン」という高い音というより、「ゴー」というような低い音が特徴のようです。
このように、台風による気圧の変化が、人体にもたらす影響というのは、少なくはないようです。
台風の頭痛その対処法や解消策はツボ?
台風が来る度に、頭痛に襲われて何もできないと、生活や仕事に支障が出てしまいますよね。自分で出来る対処法はないのでしょうか?
交感神経が活発になりすぎているので、頭痛がおこってしまったら、一番は暗い部屋で横になり、安静にすることです。そして、血管が膨張しているので、頭を冷やすことにより、血管を収縮させ、神経の圧迫を緩和します。
しかし、横になって休んでばかりもいられませんよね。
その時に有効とされているのが、耳たぶのマッサージです。気圧の変化を敏感に感じ取るのも耳ですが、その耳をマッサージし、内耳に働きかけることにより、気圧の変化に慣れさせることが出来ます。
まず、少し痛いと感じるくらいの強さで、耳たぶをつまみ外側に2~3秒引っ張ったあと離します。
この動作を3~5回繰り返し、片耳ずつ、両耳とも行います。続いて、耳たぶを前に3回、後ろに3回、まわします。こちらも両耳とも行います。
この耳たぶマッサージをすることで、交感神経と副交感神経のバランスを整えることが出来ます。
また、深呼吸し酸素を体内に多く取り入れることで、神経の働きが整えられ、頭痛がおさまることもあります。
そして、頭痛にはツボ押しも効果的と言われています。「天容(てんよう)」という下顎の角にあるツボは、頭痛、耳鳴りに効果をもたらせ、「印堂(いんどう)」と呼ばれる眉間の中間にあるツボは、筋肉の緊張を和らげ、頭痛やめまいに効果があると言われています。
こういったツボ押しは、道具がなくても自分の指で、どこでも、いつでも行える、ということが有り難いですね。
台風は頭痛薬と酔い止めで対処?頼らない場合は?
上記のような対処法はありますが、やはり即効性があるのは薬の服用です。
台風による頭痛を感じたら、すぐに頭痛薬(鎮痛薬)を服用してください。痛みを我慢することに意味はないそうで、痛みを感じてすぐに服用することで、服用回数を減らすことにも繋がるそうです。
また、内耳が大きく関係しているので、乗り物酔いなどの酔い止めも、効果的と言われています。
薬の服用に即効性があるとは言え、台風や低気圧による頭痛の度に薬を何度も服用する、というのも気が引けますよね。出来れば薬に頼らず、身体が薬に慣れてしまうのを防ぎたいものです。
そういった方は、日頃の生活環境を整えることが、長い目で見て、台風時の頭痛対策となります。
気圧の変化を受けやすい自律神経のバランスを整えるには、全ての健康に対して言えることですが、「規則正しい生活」を送ることです。
日頃から、十分な睡眠、規則正しい生活を送ることで、身体への負担を軽減させます。どうしても十分に睡眠がとれない人は、同じ時間に寝て、同じ時間に起きる、という自分の中での規則を守って生活することが、何より大切です。
早く寝ることなんて出来ないから、といって諦めないでください。自分の中での規則を守った生活を送るよう心掛けるのであれば、忙しいあなたでも出来るのではないでしょうか?
そして、これも全てに通ずることですが、「ストレスを溜めない」ということです。
誰しもストレスとは付き合っていかなければなりません。しかし、ストレスを少しずつでも発散させる方法を見つけ、ストレスを溜めない努力は誰にでも出来ることだと思います。
台風と頭痛や耳鳴りの原因と対処法やツボのまとめ
台風が近づくと、ひどい場合は、台風が発生した時点で頭痛を感じてしまう、という人もいるそう。天気と距離を置いて過ごすことが出来ない私たちは、上手く付き合っていく方法を見つけなければなりません。
頭痛の辛さは、その人にしかわかりませんよね。
薬を適度に服用することはもちろん、お伝えした薬以外の対策や、日頃からの健康な生活を送る努力で、出来る限り、天気に左右されない身体作りをしていきましょう。
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