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四国遍路の作法と読経や納経の時間と目安は?

四国遍路
四国のお遍路の旅に出ようと心に決めた時からお遍路の旅は始まっているといわれます。

もう功徳をいただける準備が整っているということですね。

四国88ヶ所霊場は、お大師様とともに歩む同行二人の修行の世界です。

日本各地、海外からも大勢の人々が「お遍路さん」となって訪れる、男女年齢宗派も国境も問わず最も親しまれている霊場です。

誰もが気持ちよくお参りするための一般的な、お寺の巡拝方法や読経の作法や納経について分かりやすく説明します。

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四国遍路の作法と寺院境内の基本的マナー

四国八十八ヶ所に限らず、寺院仏閣や霊場札所のお参りの仕方に、「こうでなければいけない」ということはありません。

順序立てて書いていくと堅苦しく儀式的に思えるかもしれませんが、常識的なマナーであり、エチケットと思えば簡単に入ってくるものですよ。

まず、四国八十八ヶ所霊場札所には山門(さんもん)もしくは仁王門(ににおうもん)があります。

山門の手前からの説明になります。

1:山門(さんもん)
<合掌一礼・右入左退>
・山門や諸堂に入る時には、菅笠以外の帽子は脱ぎ合掌一礼して右足から入ります。
・お寺の中は左側通行が原則です。

2:手水鉢(手洗い所・水場)
<手を洗い口をすすいで身体の内外を清めます。>
殆どのお寺に柄杓(ひしゃく)がありますので、それを使います。

1.水盤(水が溜まっているところ)から右手で柄杓を持ち溜まっている水をすくい左手に流し清めます。

2.左手に柄杓を持ち替え、次は右手を流し清めます。

3.また柄杓を右手に持ち替え、左手に水を流し溜めて、その水で口をすすぎます。(柄杓に直接口をつけないということです)

4.さらに、もう一度口をつけた左手を流し清めます。

5.最後に、柄杓を立て杓に残った水を柄に流し柄杓の手元を洗い清めます。
(次に使う方への配慮ですね)

※流水(新しい水)が掛け流しに流れておらず、水が汚れている場合、3の工程は口には含まず所作だけする、もしくは省いても構いません。

3:正装身支度
<輪袈裟とお念珠を着装します。>

4:鐘楼堂で鐘をつきます。
<ゆっくりと静かに一人一打します>

・霊場(札所)により有無と自由さが違いますので自由につけるところのみつきます。
(霊場札所により撞き方も変わるので確認した方がよいです)

・鐘を撞くのは「来させていただきました、これから参拝させていただきます」という挨拶です。

・帰りに見つけても参拝後に撞くのは「戻り鐘」といい失礼にあたり縁起もよくないので参拝後は撞きません。
(帰りに鐘楼堂を見つけないよう本堂に行くまでに必ず確認しておきましょう。)

5:本堂にて奉納(同様のことを次の大師堂でも行います)
<燈明(ローソク)1本を献灯します。>

・仏様の知恵をいただくという意味を持つ燈明は、心に灯す知恵といわれます。

・燈明立てに立てる際は左奥から立てていくのが、後の人が火傷などをしないようにという配慮でありマナーです。

・種火がないところが多いので、必ず自身が持参したライターで火を点けます。
(もらい火をするとその灯した人の「業」を貰うといわれているためです)

<お線香3本を献香します。>

・手前や脇ではなく中央に3本まとめて立てます。
(後の人が火傷しないように燈明と同じ理由の配慮です)

・お線香は仏様を香でもてなし徳をいただくための作法といわれています。

・3本の理由は諸説ありますが一般的には、身・口・意の三密を表す意味の3本。

仏・法・僧に帰依する意味の3本。

現在・過去・未来の三世の仏様にお供えする3本などの意味があります。
(お線香も燈明と同じ理由でもらい火はやめましょう)

<納め札>
・納め札を納札箱に入れます。

納め札の書き方はこちら
>>四国八十八ヶ所の納め札の書き方と色や願い事の願意の例

<お賽銭>
・お賽銭を賽銭箱にそっと入れます。

・お賽銭は基本的には志ですので5円玉~が一般的です

・大師堂でも必要になりますので自分の用意できる範囲で準備しておきましょう。

・目安:1ヶ寺本堂・大師堂の2ヶ所×88ヶ寺です。
(投げ銭はやめましょう)

このご奉納が終われば次はいよいよお勤め読経勤行です。

四国遍路の読経の勤行作法について

お寺を参拝するときの読経は、各宗派や寺院によって経文や順序、お経そのものが異なるものです。

自分の宗旨のもので問題ないのですが特にこだわりがないのであれば、
(というよりこだわりを捨てるのも修行かもしれません)

一般的な、四国八十八ヶ所霊場・四国別格霊場のお経の読経前にまずは、お経のお唱えの前に名乗ります。

大きな声で自己紹介をするというわけではなく、心の中で住所氏名年齢といった自分が何者かを報告するのがマナーです。

さらに、お経を覚えていたとしても、正式には教本を両手で持ち読み上げ唱えます。

これは、口に出し耳から聞くだけではなく目からもお経を入れることでさらに功徳をいただけるのです。

6:念珠を3回手前にすり合掌礼拝します。
(手前です、向こう側にするのは葬儀の時のすり方です)

7:本堂にて奉納に続き勤行
<仏前勤行次第に沿い読経>

1.開経偈(かいきょうげ)
2.懺悔文(さんげもん)
3.三帰(さんき)
4.三竟(さんきょう)
5.十善戒(じゅうぜんかい)
6.発菩提真言(ほつぼだいしんごん)3回
7.三摩耶戒真言(さんまやかいしんごん)3回
8.般若心経(はんにゃしんぎょう)
9.御本尊真言(ごほんぞんしんごん)3回
※参拝している霊場札所の御本尊のご真言
10.光明真言(こうみょうしんごん)3回
11.御宝号(ごほうごう)3回
12.回向文(えこうもん)

そして、最後に願意を祈願します。

8:大師堂(本堂と同様の奉納)
<5同様、燈明・線香・納め札・お賽銭を奉納します>

9:大師堂にて勤行
<仏前勤行次第に沿い読経>

5~7に同じ
※7の勤行時、9.御本尊真言は省略します。
(大師堂ではお大師さまが御本尊さまのため)

そしてこちらも、最後に願意を祈願します。

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四国遍路の納経にかかる時間は?

1回の読経は5分程度はかかります。

上記の参拝作法を参考にしていただくと1ヶ寺をお参りする時間は30~40分が目安ですが、本堂と大師堂が隣り合わせの場合もあれば広い境内のお寺もあります。

境内の広さにもよるので一概に時間の計算は出来ないかもしれませんので、あくまでも目安にしてください。

勤行が終われば最後に、参拝した証しをいただきましょう。

10:納経所(墨書と御朱印をいただく)
<納経料金500円・白衣300円・納経軸700円>

納経所の受付時間は8:00~17:00です。
(参拝終了予想時刻が17:00を過ぎるようでしたら納経所に相談すると、勤行の前でも先にいただける場合がありますので是非相談してみてくださいね)

お納経は、各札所にて御本尊様とお大師様にお経を読経(写経でも)で奉納し、ご縁を結んだしるしからお納経と呼ばれます。

参拝(納経)の証しとして、納経帳に墨書と御朱印を読経後(最後)に納経所に行きお納経(御朱印)をいただくことは御本尊様、お大師様の御加護を受けることでもあります。

混んでいなければ、すぐに納経所でお納経していただけますがツアーなどで混雑している場合や、連休などの混雑時は納経所での順番待ちで1時間以上待つようなことがあります。

納経所では、お納経をいただくと墨書と御朱印だけでなく、御影(おすがた・おみえ)札という、その各札所の御本尊のお姿が描かれたお札をいただくことができます。

御影札(おすがた・おみえ)は、御本尊様の分身(御影)ですので混雑していても、是非いただいて帰りましょう。

11:山門を出て合掌一礼
<合掌一礼・右入左退>
・山門や諸堂から出る時には、合掌一礼して左足から出ます。

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まとめ

少し堅苦しいと思われたかもしれませんが、初めての方は最初からあまり身構えず、気軽に楽しく「お遍路」の世界に同行二人でお大師様に身を任せ少しずつ体得していくことと思います。

あなたに、よりよい仏縁となりますように。

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