
三宝(三方)に鏡餅やお供え物をのせようとしたとき、
「どちらが正面?」
「穴がない面はどっちに向ける?」
「上のお盆のつなぎ目は手前?奥?」
と迷うことがありますよね。
三宝(三方)には向きがあり、一般的には折敷(おしき)の継ぎ目がある側を自分側(手前)にし、台の穴が開いていない面を神様側に向けて置きます。
鏡餅を飾る場合も、まず三方の向きを正しく置いてから、四方紅や奉書紙、裏白、鏡餅、橙などを重ねていきます。
この記事では、
- 三宝(三方)の正しい向きと置き方
- 三方に鏡餅を飾る順番
- 鏡餅の飾りの名前と意味
- お米・塩・水・お酒などを供える場合の置き方
- 鏡餅を飾る時期と場所
について、図解を交えて分かりやすく紹介します。
【図解】三宝(三方)の向き・置き方はどっち?
三宝(三方)を置くときに、まず確認したいのが上の折敷の継ぎ目と、下の台に開いている穴です。
三宝(三方)の向き
- 折敷の継ぎ目がある側:自分側(手前)
- 台の穴が開いていない面:神棚・床の間など神様側(奥)
つまり、三方を正面から見たときには穴が見え、穴のない面が神様側を向く形になります。

上のお盆のような部分は折敷(おしき)と呼ばれます。
折敷の端を見ると継ぎ目がありますので、その継ぎ目を手前に向けると判断しやすいですよ。
三宝と三方は違うもの?
「三宝」「三方」と両方の表記を見かけますが、神様へのお供え物をのせる台として使われるものは、一般に三方(さんぼう・さんぽう)と呼ばれます。
台の三方向に穴が開いていることが「三方」という名前の由来です。
「三宝」と表記されることもあるため、商品を探すときには「三方」「三宝」のどちらでも見つかることがあります。
鏡餅だけでなく、お米・塩・水・お酒、果物などの神饌(しんせん)を供える際にも使われます。
三宝(三方)に鏡餅を飾る順番と名前一覧
鏡餅の飾り方には地域や家庭による違いがあります。
ここでは、昔ながらの鏡餅で見られる飾り方の一例を紹介します。
すべての飾りを必ず用意しなければならないわけではありません。市販の鏡餅では、橙や飾りがセットになった簡略なものも多くなっています。
① 三方(三宝)
最初に三方を置きます。
先ほど紹介したように、折敷の継ぎ目を手前、穴のない面を神様側に向けます。
② 四方紅・奉書紙
三方の上に、四方紅(しほうべに)や奉書紙(ほうしょがみ)などの敷紙を置きます。
四方紅は、白い紙の縁を紅色で彩った鏡餅用の敷紙です。
地域や家庭によっては、白い奉書紙や半紙を使うこともあります。
③ 裏白(うらじろ)
敷紙の上に裏白を置きます。

裏白は、葉の裏側が白いシダの一種です。
古い葉と新しい葉が一緒に伸びることなどから、長寿や家族の繁栄を願う縁起物として正月飾りに使われます。
最近では、本物の裏白だけでなく、鏡餅用の飾りとして作られたものがセットになっている商品もあります。
裏白の向きや付け方については、こちらの記事でも写真つきで紹介しています。
▶ しめ縄と裏白の付け方・向きは?玄関の正しい飾り方も徹底解説!
④ 紙垂・御幣などの飾り
鏡餅用の飾りには、紅白の紙垂(しで)や御幣を模した飾りが使われることがあります。
商品や地域によって形が異なるため、用意した鏡餅の飾り方に合わせましょう。
⑤ 下の鏡餅
大小2つの丸餅を使う場合は、大きい餅を下に置きます。
⑥ 昆布
地域や飾り方によっては、餅の間などに昆布を添えます。
昆布は「よろこぶ」に通じる縁起物として、お祝いの料理やお供え物にも使われてきました。
⑦ 上の鏡餅
大きい餅の上に、小さい餅を重ねます。
2段の丸餅には、「福が重なる」「円満に年を重ねる」といった意味が込められているといわれています。
⑧ 串柿
地域によっては、鏡餅に串柿を飾ります。
10個の串柿では、中央に6個、両端に2個ずつ刺したものがあり、
「いつもニコニコ、仲むつまじく」
という家内安全や円満への願いが込められています。
串そのものを剣に見立て、三種の神器に結びつける地域の伝承もあります。
⑨ 橙(だいだい)
鏡餅の一番上には橙を飾るのが昔ながらの形です。
橙という名前が「代々」に通じることから、家が代々繁栄しますようにという願いが込められています。
現在では、橙の代わりにみかんや、鏡餅セットに付属する飾りを使うこともあります。
⑩ 海老
地域や豪華な鏡餅では、海老を添えることもあります。
海老は、長いひげや曲がった腰の姿から長寿を願う縁起物とされています。
⑪ 水引
海老などの飾りを固定したり、お祝いの意味を添えたりするために水引を使うことがあります。
⑫ 末広・末広扇
扇は先に向かって広がる形から「末広がり」に通じ、将来の繁栄を願う縁起物です。

鏡餅の飾りは地域差が大きいため、裏白・昆布・串柿・海老・末広などがすべて揃っていなくても問題ありません。
家庭で受け継いできた飾り方がある場合は、その方法を大切にしましょう。
三宝(三方)にお米・塩・水・お酒を供える場合の置き方
三方は鏡餅専用の台ではありません。
神棚へお米・塩・水・お酒などを供える際にも使われます。
お供え物の並べ方には、神棚の大きさや三方の形による違いがありますが、一例として、
- お米:中央
- 塩:向かって右
- 水:向かって左
- お酒:お米の後ろ側など
に配置する方法があります。
大切なのは、三方そのものの向きを間違えないこと。
折敷の継ぎ目を手前、継ぎ目のない側を神様側にしてから、お供え物を並べましょう。
鏡餅を飾る意味は?年神様へのお供え物
鏡餅は、新しい年に迎える年神様へ供える正月のお供え物です。
丸く平たい形は、昔の銅鏡をかたどったものといわれています。
鏡は古くから神聖なものとされ、三種の神器のひとつにも数えられています。
また、2段に重ねた丸餅には、太陽と月を表すという説や、「福が重なる」「円満に年を重ねる」といった意味があるとされています。
そのため鏡餅は、単なる正月の飾りではなく、年神様を迎え、新しい一年の無病息災や家内安全を願うお供え物として受け継がれてきました。
鏡餅はいつから飾る?12月28日が人気
正月飾りの準備は、昔は12月13日の「正月事始め」以降に行われてきました。
現在では、クリスマスが終わったあとに準備を始め、12月28日に鏡餅を飾る家庭も多くあります。
28日は末広がりの「八」が入ることから、縁起の良い日として好まれています。
一方、29日は「苦」を連想するとして避けることがあり、31日は「一夜飾り」として避ける風習があります。
ただし、正月飾りの時期や考え方には地域差があります。
正月飾り全体の飾る時期や片付け方については、こちらの記事で詳しく紹介しています。
鏡餅はどこに飾る?床の間や神棚が一般的
昔ながらの家では、鏡餅は床の間や神棚などに飾られてきました。
現在は床の間や神棚がない住宅も多いため、その場合は家族が集まるリビングなど、清潔で落ち着いてお供えできる場所を選べばよいでしょう。
大きな鏡餅を1つだけ飾る家庭もあれば、小さな鏡餅を複数の場所に供える地域や家庭もあります。
住宅事情に合わせて、無理なくお供えできる場所を選びましょう。
鏡開きはいつ?多くの地域では1月11日
正月に供えていた鏡餅は、鏡開きに下ろして食べます。
多くの地域では1月11日に行われますが、地域によって日は異なります。
鏡餅を下ろして食べることには、年神様に供えた餅をいただき、一年の無病息災を願う意味があります。
昔ながらの鏡餅は、刃物で切ることを避け、木づちなどで割ります。
「割る」という言葉も避け、縁起の良い「開く」という言葉を使うことから「鏡開き」と呼ばれます。
まとめ
三宝(三方)には正しい向きがあります。
- 折敷の継ぎ目がある側を自分側(手前)にする
- 台の穴が開いていない面を神様側(奥)にする
鏡餅を飾る場合は、三方の向きを整えたうえで、四方紅や奉書紙、裏白、鏡餅、橙などを重ねます。
ただし、鏡餅の飾り方や使う縁起物には地域や家庭による違いがあり、すべての飾りを揃える必要はありません。
三方は鏡餅だけでなく、お米・塩・水・お酒などのお供えにも使います。
まずは「継ぎ目は手前、穴のない面は神様側」と覚えておけば、三方の向きで迷いにくくなりますよ。



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